A: 「ナレッジリーダシップ」は、優秀な営業マンなど人が持つ知識を共有化し、標準化、定量化しながら、それをIT活用しながらリードしていく能力のことだといえるでしょう。ナレッジマネジメントの考え方は、「情報処理」という狭い機会的な効率中心の見方を転換して”人”のもつ暗黙知(センスや感情、価値観)を含めたダイナミックな知の相互作用を問題にしています。
たとえば、アマゾンというネット型出版社の仕組みも、結局は読者の持つ知識を活用していく仕組みです。読者の関心を購入した本のタイトル情報から他の購入者との類似性を探り、そこに一定のパターンを見つける仕掛けは、リコメンデーションという機能としてCRMでも注目されているものです。機能だけがシステム化されても、ナレッジマネジメントとはいえず、CRMでもありませんが、それを顧客戦略の一貫として全社的活動のプロセスの中に位置づけていくことに本来のCRMとナレッジマネジメントの統合として意義があるといえます。
当会の副理事長である根来龍之氏(早稲田大学)も、ヘビーユーザ層を引き付けるのにリコメンデーション機能が非常に有効であるとの調査結果を報告しています。そのような顧客行動を予測していくナレッジ活用の在り方は、今後さらにBI等のソリューションとしてもダイナミックに進歩していくはずです。また、それは同時に顧客維持と優良顧客化へのCRM手法として効果の高いものと期待されています。
しかし、そのリーダシップを誰がとるべきか?CIOや経営企画室長のような役職者でもかまいませんが、むしろ、CKO(Chief
Knowledge Officer)やCCO(Chief Customer Officer)がリードをとっていく体制が求められるのではないでしょうか。
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